【音盤的日々 215】 ANITA O'DAY / A SONG STYLIST IN SWINGLAND
2009年 02月 15日
どうしてこれ注文したかというと、昔よく聴いていたFM録音のカセット・テープが耳に残っていたからだ。ぼくの好きな「スカイラーク」をアニタが歌っていたことと、そして「今宵の君は」をペギー・リーが歌っていたのが印象に残っている。ペギーの方は手頃なのがなかったけど、アニタの方はよさそうなのがあった。
曲順はクロノロジカルに並んでいるが、いきなり2曲目のジーン・クルーパ時代の「ジョージア・オン・マイ・マインド」が聴き覚えがあった。そうそう、これも入ってたっけ、あのテープには。それから出てくる出てくる、名曲、快唱。「スカイラーク」はもうどうでもよくなった。
初期のアニタは、時にはエラのようにも聞こえ、ビリー・ホリデイのようにも聞こえる。若い頃のアニタがエラの影響を受けるってあり得るのか調べたけどよく分からない。アニタのこの録音が1941年で、エラは1935年にはもう有名になっていたからあり得るのかな。ビリー・ホリデイの方は確かにアニタのアイドルだったらしい。
アニタは音程がどうだとかよく言われるが、ジャズなら強烈なこのスウィング感が何より大事だ。「エイント・ミスビヘイヴン」なんてあまり好きじゃない曲も、この人が歌うと粋な感じがする。太鼓だけをバックに歌い出す「スウィート・ジョージア・ブラウン」、あの有名な「真夏の夜のジャズ」の原型となったヴァージョンも入っている。伴奏陣も凄い。ナット・キング・コール・トリオ、スタン・ケントン楽団、ベイシー楽団、タッド・ダメロン・トリオ・・・。データを見ながら演奏を聴いても楽しい。
アニタって初めからこんなにスウィングしてたんだな。Verveのアニタしか知らなかったけど、それ以前のアニタの「いい仕事」をこれ一枚で堪能できた。
by pororompa | 2009-02-15 14:11 | 音盤的日々 | Comments(0)