【音盤的日々 131】 GERRY MULLIGAN & THELONIOUS MONK / MULLIGAN MEETS MONK
2007年 09月 21日
でもさすがにこれだけ寝たのだから疲労は取れていたのだろう。部屋の空気が乾くと、急に聴きたくなったのが重厚そのもののこのアルバムだ。昔、学生時代に、ジャズ喫茶にたむろする仲間で麻雀をしていた時だった。「マリガンとモンクか。また面妖なことやっとるんだろ。」このアルバムを見て、サックス吹きの男がそう言った。「面妖」という聞き慣れない言葉は、その頃のそういった連中の間のはやり言葉である。その言葉が妙に記憶に残っている。
だがこのアルバムは決して面妖ではない。重厚ではあるけれど、思ったよりストレートな音が出てくる。極めつけは一曲目の「ラウンド・ミッドナイト」。この曲の最高の名演がこのアルバムだとぼくは思っている。まるでマリガンのバリトンのために書かれたのではと思えるくらい、この名曲が見事にハマっている。「うおおお、ジャズを聴いたあ!」という気分にさせられる。疲れている時には聴けないし、暑苦しい日には不向きなアルバムだ。気分的にも、少しは秋めいてきたのかなあと思ったりした。聴き終わって、昼間の不快な気分が消えた。
by pororompa | 2007-09-21 19:42 | 音盤的日々 | Comments(2)