【音盤的日々 125】 NEIL YOUNG / LIVE AT MASSEY HALL 1971
2007年 08月 20日
還暦を過ぎても怒濤の新作ラッシュで突っ走るニール・ヤングには、回想モードは似合わないが、確かにこれはできがいい。ブートレグでは有名だったというから、「公式海賊盤」の類だが、日の目を見て然るべき貴重な記録だ。
最後までたった一人でやっている。一人で弾き語って聴衆を退屈せずに一時間も持たせることはなかなか難しいことだ。しかも超絶技巧の人ではない。圧倒的歌唱力の人でもない。では作品で聴かせているのかというと、確かにいい曲は書くが、それだけが売りでもなさそうだ。この人のギターのファンは多いし、この声がたまらないというファンも多い。いい曲、味のあるギター、個性的なヴォーカル、その三つの要素が絡み合って、独特の魅力を形作っている。
ピアノの弾き語りも聴かせるが、これまた素晴らしい。素朴なんだがいいんだな。酷評されたサントラ盤「過去への旅路」と同じ題の「Journey Through The Past」という曲を、そのピアノでやっている。あの時代のニールはかなり聴いたと思っていたが、こんないい曲があったっけ。「A Man Needs A Maid」も、大げさなアレンジのオリジナルよりこちらの方がいい。
DVD付きの輸入盤を買った。水害前に持っていた何枚かのレーザー・ディスクを思い出して、また観られたら観たいものだと思った。
by pororompa | 2007-08-20 23:40 | 音盤的日々 | Comments(0)