【音盤的日々393】RED MITCHELL & KENNY BARRON / THE RED BARRON DUO
2017年 10月 08日
買う盤に、だんだんと当たりが少なくなっていくのはこういう趣味の宿命なんだろう。この頃当たりに出合うことがほんと少なくて、買うのも聴くのも年々減ってきてる。耳と感性の衰えとは思いたくないが。
でもこいつはガツンときたね。1曲目はしまったと思った。ピアノの音が気に食わない。妙にキンキン、ピラピラとしていて、なんか浮わついている。曲は「ザ・ボーイ・ネクスト・ドア」で好きな曲なんだけどな。
2曲目が「オレオ」だなあ。これもバタバタとうるさいのかなと思ったら、これがなかなかいい。ベースの音がいい。ガンとくる骨のあるベースの音だ。不思議にピアノもいい音に感じ出した。息遣いが聞こえる。「ような」ではなくて、ほんとにベース弾きのひたむきな息遣いが、ベースの音とともに聞こえてくる。こういうベースが聴きたかった。どちらかと言えば、ケニー・バロンを聴こうと思って買った盤だけど、主役は完全にレッド・ミッチェルだった。
3曲目がまた素晴らしい。ケニー・バロンの曲だというが、哀感のある短調の曲だ。熱いジャズを聴く喜びを久しぶりに感じた。その後もいい感じの演奏が続き、最後の2曲がまた素晴らしかった。「ネームリー・ユー」と「ダーン・ザット・ドリーム」。
何でも、レッド・ミッチェルの自宅で録ったという話だ。ベースが主役に聞こえるのはそのためなのかな。年に一度、いや半年に一度くらいはこういう盤に出合いたいもんだ。
by pororompa | 2017-10-08 21:22 | 音盤的日々 | Comments(0)