【音盤的日々385】CHARLES MINGUS / MINGUS AT ANTIBES
2017年 01月 15日
正月休みがたっぷりあった今年は、十分休養できた。そのおかげで休み明けの第1週もさして苦もなく乗り切れたような気がする。買ったまま放っておいたこのミンガスのライブ盤も、聴こうという気になった。
壮絶だ。だがうるさくはない。騒々しいだけの音楽ではない。ミンガスの音楽は、唐突に叫び出すのではなく、ちゃんと歌があり、味わいのある節回しがあり、それが繰り返され、その結果として熱くなっていく。だから体力さえあれば、一緒に熱くなっていける。
1960年の録音だというが、音はいい。ドルフィーは、熱くなりながらもどこかクールで外さない。ブッカー・アーヴィンは節回しの部分で多くを担っている。テッド・カーソンは元気溌溂。御大はいつもの如くブンブン唸る硬派のベース。たまに弾く知的な感じのピアノ。そしてダニー・リッチモンドの燃えようが凄い。
1曲だけ出てくるバド・パウエルはまさにスペシャル・ゲスト。居なきゃ居なくてよかったってのはちと言い過ぎだけど、やはり「花を添えた」程度の存在でしかない。でも、確実に花は添えている。腐っても鯛。
60過ぎてこのへヴィな音の波で興奮できるのは幸せなこと。いつまでもこの気分を失いたくないものだ。
by pororompa | 2017-01-15 16:59 | 音盤的日々 | Comments(0)