攻めの切れ味 【JFL’10後期第16節 ホンダロック 1-2 V・ファーレン長崎】
2010年 11月 21日
今日はホーム最終戦、今季JFLのホンダロック戦レポートも最終回である。相手はJFLで一度も勝ったことがないという長崎の宿敵V・ファーレン。そろそろ勝っておかなくちゃ。
スタメンを見ると何か最初に戻ったような顔ぶれだ。サイドが悦田に竹井。前は原田・熊元・下木屋。後ろもいつものメンバーだ。ただ、諏訪園がまだ本調子じゃないのか、それともプレーが気に入ったのか、真ん中で前田と組むのは今日も山下だった。
始まってすぐ、自陣左サイドを高速で突破され、抉られて、グラウンダーのボールをゴール前へ入れられた。これを何とかクリアしようとして失敗、自陣へ流し込んでしまった。オウンゴール。「え?」という感じで、一瞬会場がしらけた。「何だ?今の」という感じだった。
ところがこれだけではない。この相手右サイドの選手が速いこと、これに何度も手こずることになる。さらにもっと恐いのは、切れ味の鋭い中央突破だ。有光という選手の名は時々聞いていたが、有光だけではなくその周りの選手が2人、3人と一斉に連動して、目くらましのように走り込んでくる。走りながらスルーパスを通して裏に抜け出し、いきなりにゴールを狙ってくる。何とか石井の果敢な飛び出しで防いだ。
このカミソリのように鋭い切れ味の攻めは、今のホンダロックにはない。これに比べるとロックの攻撃は鈍器を振り回しているような感じだ。しかもなかなか仕掛けない。まさかメンバーが前に戻って、仕掛けの遅さまで前に戻ったわけではないだろうに。
だが後半になってくると、相手の勢いも弱まり、じわじわとロックが押し返すようになった。でもまだまだ攻めがもどかしい。交代のカードは切らないのか。自分ならどうするか。好調の首藤と、帰ってきた大黒柱水永の2人を一度に入れる。すると、監督もそう考えていたようで、早めに手を打ってきた。
この交代ではっきり流れが変わった。空振りだったパンチがズンズンと当たるような感じになった。特に水永の与える威圧感のようなものが大きい。前で粘り強く競り、チャンスを作ろうとするので、得点が入りそうになかった試合が急に入りそうに見えてきた。
そしてとうとう同点に追いつく。FWの奮闘から生まれたチャンスに、後ろから突っ込んできたのは前田だった。勝てそうにないような試合が、急に勢いづいた。
しかし相手はJFL5位、あわよくばJ2をというチームである。簡単にはやられない。終了直前、コーナーからのこぼれ球を、中央から打たれた。石井も一瞬手に当てたが、こぼれるようにゴールの中に転げていった。悔しがる石井。見ている方も本当に悔しい失点だった。
ホーム最終戦。それは来期への課題も見えた試合である。「フットボール・センス」の優れた相手に対して、どう戦っていくのか。V・ファーレンのような、流動的で切れ味の鋭い仕掛けを、もっと取り入れていけば、上位に食い込むことも可能だと思う。いや、そのセンスを磨くことなしには、上位に行くことは不可能だ。
by pororompa | 2010-11-21 17:05 | ホンダロックにわかサポ | Comments(2)