【音盤的日々 230】 CHARLIE HADEN WITH GONZALO RUBALCABA & PAUL MOTIAN / THE MONTREAL TAPES
2009年 05月 10日
CDを買って聴く趣味の人の中には、いつも未聴のストックを置いておかないと落ち着かない人もいるらしい。ぼくは買ったらすぐ聴かないと逆に落ち着かない方だが、この連休は中古屋でたくさん買ったので、後から通販で届いた分が残っていた。クラシック・ギターとこのチャーリー・ヘイデンを、連休気分の締めくくりに聴いたが、どちらもよかった。
いかにも地味なこのジャケットと、何か残り物のようなタイトル、ジャズをよく聴いている人で、チャーリー・ヘイデンやゴンサロ・ルバルカバが何者か熟知しているような人しか買わない感じだが、それでもぼくはこの雰囲気は好きだ。ただ、ある程度粗放な作りかもという気はした。
曲目を見ると、わずか6曲。その内4曲は10分以上で、一番短い曲でも8分近い。ただライブという設定の中でひたすら即興の限りを尽し合う演奏ではないか。これは気合いを入れて聴かんと到底歯が立たんと思った。最後まで未聴で残ったのはそんなわけもある。
1曲目、おもむろにゴンサロのソロから始まり、ドラムが入ってくる頃には物哀しげな聴き覚えのあるテーマが浮かび上がってきた。ゲーリー・ピーコックの「テイルズ・オブ・アナザー」の1曲目だ。キースのうなり声が聞こえてきそうな錯覚を覚える。2・3・4と、リーダーらしくヘイデンの曲が続く。親しみやすい短調のテーマの2もいい。3も短調だ。フラメンコを思わせるスパニッシュ・モードの曲だが、途中でゴンサロが暴れ出す。14分もあり、ベースやドラムソロも長めだ。ピアノとドラムの音がうるさくない。自然でいい音だ。ただ、ヘイデンの音がいつもと違う。ちょっと軽い。ヘイデンのベースってこんな音か?、もっと重いよな。
4の静かめのバラードを挟んで、後半はまた熱い演奏が続く。栄養たっぷりの定食という感じで、気軽に聴くのを許さないが、音がいいので大きめにして没入するように聴くと爽快だ。長い休みの終わりに聴く音楽にふさわしかった。
by pororompa | 2009-05-10 20:12 | 音盤的日々 | Comments(0)