手応え有り 【JFL’09前期第9節 ホンダロック 1-0 アルテ高崎】
2009年 05月 03日
だがしかし、監督もチームも結果から学び、確実に変わりつつあるようだ。今日のメンバーと戦術がそれを示していた。前回観戦の水島戦で、「後半の戦いに希望を見出したい」とぼくは書いたが、今日がまさにそうなっている。両サイドが上がって3バックに近くなり、ボランチの一人6番の前田が前半から攻撃的な位置に上がって積極的に攻めに参加している。そして水島戦で切れのよい動きを見せた24番山下がスターティング・メンバーに入っている。しかも今日の相手は今季無敗の上位チームである。これまでの流れならもっと臆病なサッカーになっていいところだが、ただ引くだけで攻め手がないようでは、相手に脅威を与えずつけこまれるだけだということを結果も示していたし、監督さんも悟ったに違いない。
攻めの姿勢は試合開始からいきなり出た。右サイドを破って上げたクロスにヘディングで合わせてゴール!。だがなんと「ノー・ゴール」の判定である。バーを叩いて落ちたボールがゴール・ラインを割ったように見えたが、審判の判定は違っていた。この立ち上がりの惜しいチャンスは、「攻めるホンダロック」を宣言する花火のようなものだった。両サイドの悦田と小原が積極的に仕掛け、何度もチャンスを作る。これまでと比べて段違いに面白みを感じる展開である。だが相手もさすが今季無敗のチーム、前半の途中からロックのチャンスは少なくなってきた。ただ相手にも決定的なチャンスはない。
後半も攻めの姿勢は衰えず、攻め立てるホンダロック。ただ前線が3トップ気味になるのに、押し上げが弱く、前後の厚みがなくて単調になってきた。疲れてきたのだろう。トップを23番に代え、山下を首藤に代え、右サイドも代えてフレッシュな選手を走らせる。山下→首藤というのは水島戦とは逆の交代だが、今日の首藤選手は前回より活き活きして見える。ブログも見つけて愛着も湧いていたというのはあるかもしれない。23番も強引な突破をはかるなど個性を見せ、後ろから早めのクロスを次々に放り込んで観客席も湧いてきた。今日の戦いならドローでも満足だ。結果が全てではない、こういう試合なら観に来てもいいな、そう思い始めた試合終了間際、とうとう試合が動いた。左からのFKを前線に詰めていた水永がきれいに頭で合わせてついにゴール!!。フラストレーションの溜まっていた観客席が一斉に総立ち。入るなら最高の時間帯であった。
結果も快勝、内容的にも見所が多く、深い余韻が会場を包んだ。今日のサッカーがワールド・クラスに勝てるものがただ一つある。それは生のフットボールの感動だ。吹き抜ける風、ワイドなピッチ、こだまする歓声。これはテレビにはない。初めにショッカー総統氏の感想に「説得力がない」と悪態を付いたが、「今そこにあるサッカーを愛せ!」という氏の持論が説得力を持って甦ってきた。目まぐるしいせめぎ合い、爆発する歓喜、これがサッカーの醍醐味だ。
それにしても今季のホンダロック、普通に戦っても十分いけるのではないか。前回の降格の時の苦戦に懲りて、あまりにも臆病なサッカーになっていたのではという気がする。上位チームに対しての互角以上の内容は、勇気を持って攻めても十分戦えるという手応えを、選手と監督に残したに違いない。
by pororompa | 2009-05-03 18:08 | ホンダロックにわかサポ | Comments(0)