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semスキン用のアイコン01 【音盤的日々 244】 BILL EVANS / CALIFORNIA HERE I COME semスキン用のアイコン02

  

2009年 11月 21日

e0006692_184538.jpg のんびりした朝を過ごしてしまうと、すぐ昼、夕方である。まあそれもいいだろう。それでこそ休日というものだ。

 「教員に朝電話するには何時頃がよいか」と問われて、返答に窮したことがあった。さしずめ昨日の朝なんかこんな風だ。インフルエンザが学級閉鎖ぎりぎりで緊迫した中で、健康観察。そうしている内に、朝から校内ビデオ放送、担当としてサポートに行かねばならなかったのだが、教室のテレビが不調。アンテナ線と格闘して砂嵐のテレビを見せていると、今日までに提出すべき博物館のアンケートがあったとかで内線電話、そうこうしている間に一人の子どもが気分が悪いというので熱を測る。休んだ子がインフルエンザでないかも確かめて、各学級を回ってインフルエンザ罹患者数を調べて提出し、ついでに理科室から器具を借りてくる…。

 まあどの仕事もやった人でないと分からないような苦労はあるものだろう。愚痴っても仕方がない。それより半日ものんびりすると、少しは元気も取り戻す。

 このアルバムは、安い中古で出ていた。通販の送料をうかす目的で追加したものだ。何やら一見あやしげだが、一応VERVEから出ている。1967年に録ったライブで、本人が気に入らなくてオクラになっていたものらしい。場所は何とビレッジ・バンガード。エバンスの急死直後に追悼盤として出されたものだということだ。準正規盤というところか。だから音はいい。当初はLP2枚組だったらしく、ボリュームもたっぷりだ。

 70年代のエバンスは、「弾き過ぎ」という人もいる。確かにそういう感じはある。60年代はまだそうでもないのではないかと思う。そう思って買ったのだが、前半を聴いて失敗したと思った。やたらうるさい。ベースはエディ・ゴメスでドラムスはフィリー・ジョー・ジョーンズ。この頃のエディ・ゴメスはまだそう音色も悪くないし、フィリー・ジョーは激しいけどそう嫌いじゃない。やはり本人の問題かなと思いつつ聴いていると、LPならSIDE2あたりからだんだんよくなってきた。

 そして後半は一転してぐっとよくなってくる。耳が慣れてその世界に引き込まれるというのもあるかもしれないが、とにかく前半と後半では印象ががらっと変わった。もしこれをLPで持っていたら、2枚目ばかり聴いていただろう。

 特に「アルフィー」がうれしい。このまま「ワルツ・フォー・デビー」の後ろ辺りに入っていても違和感がないような素晴しい演奏だ。この1曲だけでも買った価値はあった。それと、ラス前のジャズ・ワルツ「エミリー」がいい。

 エバンスはブートレッグまがいのライブがいっぱい出回っているが、実際こういう録音も残っているので、まだまだ気になるところだ。
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by pororompa | 2009-11-21 18:55 | 音盤的日々 | Trackback | Comments(0)

semスキン用のアイコン01 【音盤的日々 243】 CHET BAKER / CHET BAKER SINGS semスキン用のアイコン02

  

2009年 11月 07日

e0006692_17324294.jpg 30年間偏見を持っていて聴かなかった作品である。当時の世評にも影響されたけれど、なにしろ初めて聴いた「マイ・ファニー・バレンタイン」が気色が悪すぎた。

 それがどうして聴く気になったかというと、インターネット・ラジオである。「Radiotracker」が掻き集めてきたスタンドナンバー、ありとあらゆる人が演奏した数百曲のスタンダードを毎日車で聴いていた。そこにチェットが流れてきて、偏見を取り去ってくれたのだった。聴く側が年取ったのもあるかも知れない。とにかく、「チェット・ベイカーもいいかも」と思えたのだ。

 それでもずっと通販のカゴに放置したままだった。安くなったと思ったら高くなる。そうしている内にまた特売で出たので、深い考えもなく買った。しかし、結果から見ると、タイミングは絶妙だった。くたびれはてた秋の夕暮れに実に似合う。

 何という力の抜けた歌だろうか。ジョアン・ジルベルトを思わせる。ところが、あながち無関係ではないらしい。ジルベルトに影響を与えたということだ。もう一人思い浮かべたのはサッチモである。芸風は違うけれど、歌うラッパ吹きだ。そのラッパが、歌を引き立て、歌がラッパを引き立てるように、絶妙に絡んでくる。その絡み具合に共通点を感じる。

 歌い始めた器楽奏者というのは、みんな複雑な心境だろう。人間の歌というのは存在感が強烈だ。どんな名演奏家がバックを務めても、歌手に主役を食われる。自分の余芸である歌が、メインのはずの楽器を脇役にしてしまう。

 けれども、このチェット・ベイカーを聴けば聴くほど、歌にもましてこのラッパが沁みてくる。いいラッパ吹きだ。このジャズとしか思えない音色。粋な歌い回し。軽いけれど、心の中の弱い部分に真っ直ぐに入り込んでくるようだ。そう言えば、ジェリー・マリガン・カルテットがチェットだったのを思い出して、聴き直してみたりした。
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by pororompa | 2009-11-07 18:05 | 音盤的日々 | Trackback | Comments(2)

semスキン用のアイコン01 【音盤的日々 242】 DANILO REA TRIO / ROMANTICA semスキン用のアイコン02

  

2009年 11月 01日

e0006692_16525897.jpg ヴィーナスの諸作が1500円で出ていたのを知って、夕べ食事に出たついでに買ってきた。「買おうか、どうしようか」クラスは、値下げと聞けばつい手が出る。

 イタリア人のピアノ弾きがイタリア曲を料理する、という趣向のアルバムである。イタリア人がアメリカのスタンダードを、と聞いても、あんまり食指が動かないが、イタリア曲というなら面白いかも知れないと思ったのだった。イタリアと言えば濃い感じの美メロの宝庫である。ジャズにするにしても、彼らなりの旋律で崩していけば、逆にアメリカの黒人などには出せない味が出てくるのではないか。

 そんなことを考えながら買ったのだが、実を言うとそれほど多くの期待をしていたわけではない。色のはっきりした、使い道のあるBGMにでもなればよいと思っていた。しかしこれは久々の当たりだった。

 ピアニストには悪いが、まずベースに耳が行った。いい音色をしている。とやかく言われるヴィーナスの音だが、このズーンという響きにはいきなり惹き付けられる。

 ドラムも悪くない。アルバムを通して、単調な4ビートばかりではなく、リズムが多彩である。純粋なアコースティックのジャズ・トリオなのに、8や16ビートも含めてリズムの変化でいろんな即興を引き出してくれるというのは、今の時代のジャズにぼくが期待する行き方だ。

 そして、ピアノ。この人は相当やる。最初の4曲では、ラテン調のミディアム曲とバラードを交互に並べ、期待通りの美メロを次々に浴びせてくる。それでもしっかりジャズしている。そして5曲目が「サンタ・ルチア」なんだが、これを「そぉーらーにしろきー」なんてやってしまったらまた別の種類のアルバムになっていただろう。それはそれでよかったかもしれないが、月の光なんぞ知ったことかとばかり、アップ・テンポでバシバシ始めた。さらにソロに入ってからは、「おりゃあジャズ弾きどー!」みたいな感じで暴れ始める。これはジャズ弾きとしては当然の展開なのであって、最初の甘い演奏の中に一本通っていた「筋」を、ここであらためて理解するのだった。

 アルバムは全体にこの展開を繰り返しながら進むが、「帰れソレントへ」で暴れたのは分かるとしても、ラス前の「恋する兵士」だけは、ちとアルバムの雰囲気を壊していたかな。ま、でもラス前だし、世の名盤にもそんな1曲は入っているものだ、と納得することにする。

 バラードでは、感極まってうなり声とかも出てくるが、幸いにしてキースほどうるさくはない。小手先で適当に弾いているのではなく、没入している様子が感じられて好感が持てる。このバラードが実にうまい。

 アップテンポもいい。特に、⑨曲目、小気味よいライド・シンバルに乗ってピアノがしだいに熱を帯びてくる、エンニオ・モリコーネの「ある夕食のテーブル」が印象的だ。

 曲・音・演奏、3拍子揃った意外な快盤だ。ジャケットがなあ…。この、意味不明というか、どことなく品がないというか、内容にそぐわない変なジャケットで、かなり損をしている。惜しいな。もっと話題になっていい。
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by pororompa | 2009-11-01 17:35 | 音盤的日々 | Trackback(1) | Comments(4)