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semスキン用のアイコン01 【音盤的日々 219】 I SALONISTI / THE TITANIC BAND - THE BEST OF I SALONISTI semスキン用のアイコン02

  

2009年 03月 07日

e0006692_1233534.jpg 10日間ほど一人暮らしが続いた。妻が横浜にいる息子の引越しの手伝いに行っていたためである。いろいろ大変な苦労があったようだが、それでも万事滞りなく済ませたと思ったその時に、衝撃的な連絡が入ってきた。大学院にも合格して入るばかりになっていたというのに、なんと「卒業できなくなった」という。単位計算のミスのようだ。

 これを聞いてぼくが怒れなかったのは、実はぼくも同じ様なことを若い時にやらかしているからである。卒業はできたが教員免許に2単位足りないことが分かって、通信で取り直したのだった。こういう時に大学というのは非情だが、別に恨むつもりはない。こちらが単に馬鹿なのだ。どうもこういう馬鹿さは遺伝するらしい。ぼくの時は、「どうせ取り直すなら一から小学校の免許でも取るか」ということになって、今の職がある。結果的にはよかったかもしれないので、「人生万事塞翁が馬」ということは言えるが、今回ばかりはどう考えてもよいことにはなりそうもない。

 一番の問題は経済的な問題である。今朝も「どうする」と問いかけて妻はパートに出かけたが、「どうする」と言われても答えが出てこない所に憂鬱さがある。あまりこういう問題はぼくを煩わせずにうまく切り抜けている妻だが、今回ばかりは弱り果てているようだ。と言って、ガソリン代込み月25000円の小遣いで生活しているぼくにはもう切りつめようがない。25000円てあんまり聞いたことがないよね。もっとも、飲みにも行かない、煙草も吸わない、ゴルフもしない、本借りてきて音楽聴いてりゃ楽しめる人間だから、特に困ってはいないんだけど。それにしても真面目に小学校の教員しているのに、二人の子どもをまともに大学に出せないような国なんだなあ、この国は。ぎりぎりまで借金しまくって、定年まで耐乏生活を延長して、何とか切り抜けるしかないかな。

 さて、年度末でカバンは持って帰った仕事でパンパンに膨れあがっているし、花粉症で目は痛いし、これで曇り空ならドーンと落ち込む所だが、幸い春らしい光がたっぷりと入ってきた。仕事の方も、最後の参観日と卒業生を送る会で仕掛けた曲と台本が好評で、気分的には上向いてきた所だった。子どもの頃から貧乏には慣れているし、何とかなるだろうと思うことにする。

 さて、斯様に微妙なる気分の日々の音盤は如何に。「タイタニック」ではますます沈んでいきそうだが、これは映画の中で沈みゆく船上で演奏したことで有名になったというだけで、別段落ち込むような音楽ではない。欧米では「サロン音楽」というジャンルがあって、再生音楽がまだない時代に、然るべき社交場で生のBGMを提供してきたらしい。イ・サロニスティは、現代版サロン音楽のバンドで「タイタニック」以前から人気を博していたという。

 聴いてみると、思ったよりクラシックっぽい。それもそのはず、メンバーは元々交響楽団のメンバーで、編成も弦楽四重奏にピアノが加わった普通のピアノ五重奏団である。あとはアレンジ次第ということになるわけだが、どうしてもクラシック畑がポピュラーものやるとリズムの切れが悪くなる。かといって、どクラシックだとあんまり面白みがない。「黒い瞳」は重苦しく、ディズニー・メドレーは煌びやかなだけで野暮ったい。ベスト盤なので、統一感もあまりない。

 でも、はまる曲をやるとぴったりはまる。すごくいいのと、うんざりするようなのが、交互に出てくるようなアルバムだ。1曲目の、実際にタイタニックが沈む間際まで演奏されていたという賛美歌「主よ、みもとに近づかん」が特にいい。他にも、レスピーギやポンセ、ブーランジェの聞いたことのない小品をやっているが、どれもいい。ハンガリー民謡や、有名な「モスコーの夜は更けて」もよかった。

 そしてオマケに入っていた最後の日本向けの3曲、「浜辺の歌」「赤とんぼ」「からたちの花」がよかった。いかにも日本市場に色目を使ったあざとい選曲のようだが、実にぴったりとはまっている。考えてみると、日本の曲と言っても、「浜辺の歌」にしろ「からたちの花」にしろ、クラシックの延長上に書かれているので、洋楽そのものだ。これを「和」の雰囲気にしているのは、詞のイメージが大きい。この「浜辺の歌」は子どもの頃からぼくは大好きで、いつも故郷の金ヶ浜を犬と散策する時に歌っていた。「からたちの花」にしても、いつかラジオで岩崎洸のチェロで聴いて以来大好きになった曲だ。自分の幼少の音楽的趣味のある一部分を、強固に形作っている。このイ・サロニスティが同様に山田耕筰や中田喜直の曲を演奏したアルバムを作っても特に売れはしないかもしれないが、少なくともぼくは買う。この最後のオマケで星半分は上がった。
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イ・サロニスティ 「主よ、みもとに近づかん」(YouTube)

by pororompa | 2009-03-07 13:11 | 音盤的日々 | Trackback | Comments(0)

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