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semスキン用のアイコン01 【音盤的日々 217】 LEONARD COHEN / COHEN LIVE semスキン用のアイコン02

  

2009年 02月 22日

e0006692_227465.jpg 気が付くと雨が降っていた。外はもう暗闇だった。ぼくは雨の音が聴きたかった。ガラス戸を開けると、湿った生暖かい空気が入ってきた。春の雨だ。

 雨の音が聴きたかったけど、同時にぼくは音楽も聴きたかった。

 どうしてこんなのを持っているんだろうという盤が時々ある。何でこんなのを買う気になったのか分からない。そのくせ、それがあるということは確かに分かっている。タイトルも歌い手の名も忘れたのに、その癖のある低い歌声のCDをぼくは探した。レナード・コーエンという名だった。拍手が聞こえた。ライブだったのか。

 雨は好きだ。体の半分は戸外に、半分は室内に置いて、ぼくはこの歌と湿った空気を味わった。

 何という低い声の歌だろう。がさがさしている。そっけないほどだ。ヘタクソと言ってもいい。レナード・コーエンはシンガー・ソングライターであると同時に、詩人であり、小説家でもあるという。きっと英語の分からない者が聴いてもよく分からない種類の歌なのだろう。対訳を見た。分かったような分からないような言葉が並んでいる。でも楽しめないかというと、そうでもない。日本語だってそんな種類の歌もあるし、バックのサウンドは安定した大人の音楽で、ざらついた語りを中和してほどほどに聴きやすさを形作っている。十分楽しめるのだ。

 例えるなら、友部正人をもっと危険な伊達男にして、さらに音程を整え、声を低く抑え気味にし、バックをもっと洗練させたという感じかな。インテリ風女たらし詩人の、歌う朗読。そう言えばこの男、昔はあのジョニ・ミッチェルとも浮名を流したとか。

 春の雨の音に溶け込む歌なんて、なかなかあるものではない。どうしてこんなのを持っているんだろうという盤にも、使い途はあった。だが一人飲むウィスキーは程々にしておこう。また一週間が始まる。歌が終わって静かになった部屋に、雨音がまた聞こえてきた。
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 このアルバムと同一音源と思われる「悲しみのダンス」
 Leonard Cohen - Dance me to the end of love(YouTube)
 若い頃は声が高い。味わいのあるフォーク・シンガーという感じ。「電線の鳥」 
 Leonard Cohen - Bird on a wire(YouTube)

by pororompa | 2009-02-22 22:48 | 音盤的日々 | Trackback | Comments(2)

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Commented by noanoa1970 at 2009-02-23 10:42
こんにちは久しぶりです。
小生の手持ちの音盤といつもかなりダブルので、改めて驚いています。このアルバムも小生が好きなもののひとつです。コーエンの歌は彼自身のものも渋くていいですが、例えばジェニファー・ウォーンズの、レナード・コーエンを歌う「Famous Blue Raincoat」や 、さまざまなジャンルの歌い手が歌っているTower of Song「The Song of Leonard Cohen」なども素晴らしいです。
またロバータ・フラックが歌った「Hey,That's No Way to Say Goodbye」はコーエンの作ったもので、小生は彼女のアルバム「First Take」で、コーエンを知ることとなったのでした。
Commented by pororompa at 2009-02-23 20:43
 noanoaさん、この盤もお聴きでしたか。改めて聴き直すとなかなかに味わい深い歌でした。
 この人は、シンガー・ソングライターの「ソングライター」に重心のあるタイプなのか、カバーが多いようですね。今思うとぼくの場合も加藤登紀子の「悲しみのダンス」のカバーで知ったように思います。でもそれ以前に、アコースティックなシンガー・ソングライターのシーンでちらほら名前は聞いていた人ではあったのですが。
 若い頃を見ると外見はフォークのような感じですが、モダン・フォークの流れとは全く違った所から出てきているのが面白いですね。
 お薦めの盤も「レコード・コレクターズ」誌で眺めてはいたので興味は持っています。いつか聴いてみたいものです。