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semスキン用のアイコン01 【音盤的日々 210】 THE MODERN JAZZ QUARTET / FONTESSA semスキン用のアイコン02

  

2009年 01月 25日

e0006692_1255593.jpg 外の寒波もどこ吹く風、部屋に引き籠もって大音量でひたすらジャズを浴びている。音がよくなりゃ今度はこれだ。LPの昔から音がひどくて聴くに堪えなかったMJQの「フォンテッサ」。

 10代の、まだジャズを聴き初めの頃、このLPを買って、帰りに延岡の町のオーディオ・ショップを覗き、ついでにかけてもらったことがある。音が鳴り出したら露骨に怪訝な顔をされた。それもそのはずベースの音がほとんど聞こえない。ミルトの音はまるで小学校の「鉄琴」だ。何とも情けない音だった。

 ものの本によると、アトランティックという会社は元々あんまり録音がよくないという話だ。それだけに「ヨーロピアン・コンサート」は貴重だということらしいが、「ピラミッド」はそうひどくない。せめてあの程度の音で残しておいてほしかった。

 最近CDで手に入れて聴いてみたけど、そのLPよりはいくらかいいものの、やはり元々入っていない低音は出しようがないのか、期待したほどの音は出なかった。これを新しい装置で試してみよう。アンプのトーン・コントロールのベースを最大に上げて、高音をやや抑え気味にしてみる。ちっとはジャズらしくなってきた。

 ぼくは若い頃から不思議だったのだが、MJQというとこの「フォンテッサ」や「大運河」「ジャンゴ」が挙がるけれど、「ピラミッド」や「コンコルド」「ポギーとベス」なんかの方がずっといきいきしているし、上なんじゃないかと思えたことだ。このアルバムの音質が「ピラミッド」と同じだった場合、本当にそれ以上の代表作なのかということを、今比較して検証してみよう。

 1曲目「ヴェルサイユ」。同じジョン・ルイスの「クラシックかぶれ」の曲でも、これはちょっと硬い。「ヴァンドーム」の方がよほどジャズらしくスウィングする。次の2曲目の「エンジェル・アイズ」は、3曲目のタイトル曲「フォンテッサ」が「ピラミッド」に当たるだろうから、「スウィングがなければ意味がない」と勝負する。これは好みとしては「スウィングがなければ意味がない」のスウィンギーな演奏の方が好きだが、ミルトのバラード・プレイも素晴らしいから同点としよう。

 そこで問題のタイトル曲比べ。ここはMJQをどう見るか、どこを評価するかということと関連するから、一概には言えない。「フォンテッサ」もジョン・ルイスの持ち味の美しいメロディーが散りばめられていていいが、やはりジャズ的に見た場合いささか「頭でっかち」という感じもする。ここは「ピラミッド」の圧倒的なグルーヴ感が優ると思うのだ。これでA面については「ピラミッド」の勝ちとしよう。

 B面に入ると「虹の彼方に」や「ウィーロー・ウィープ・フォー・ミー」など魅力的なスタンダードが並ぶ中にミルトの「ブルーゾロジー」が絡んで、「フォンテッサ」も捨てがたい。「ピラミッド」の方は、曲も1曲少ないし、2曲目の「ハウ・ハイ・ザ・ムーン」がやや落ちる。だが、「ジャンゴ」も名演だし、「ロメイン」が光り輝いている。個人的にはこれも「ピラミッド」に軍配が上がるが、まあ同点としておこう。

 こうして見ると、やはりぼくの中では「ピラミッド」>「フォンテッサ」だが、「フォンテッサ」もこれまで思っていたよりはずっといいアルバムに思えてきた。特に11分の大作「フォンテッサ」が楽しめれば、確かに代表作の中に入れてもいいと思う。やはり何だかんだ言っても凡百のアルバムとは比べ物にならないくらいの風格が漂っている。初めて聴いた時から30年以上経っているが、今また新しい発見があった。今後音質が劇的に改善されれば、新しい愛聴盤になってくるだろう。
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by pororompa | 2009-01-25 12:58 | 音盤的日々 | Trackback | Comments(0)

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