【音盤的日々 205】 RY COODER / INTO THE PURPLE VALLEY
2009年 01月 04日
初めからと言ってもこれは第2作。1作目はLPで水害まで持ってたが、あんまり好きじゃない。このアルバムは好きだけど、まあ、「ブーマーズ・ストーリー」や「チキン・スキン・ミュージック」が文句なし五つ星とすると、その次ぐらいかなと思っていた。「中頃からよくなるけど始まりがイマイチ」とか思っていたけど、対訳見ながらじっくり聴いたら、やっぱりこれも傑作だ。
ボーカルは初期の頃だからいっそうヨレヨレ。でもヘタウマ的な味わいで聴かせる。ギターはもちろんスライドにピッキング、アコギにエレキ、たっぷり聴ける。マンドリンもいい。
昔の雑誌のインタビューを引っ張り出してみた。大観衆の前で跳びはねるような音楽ではなくて、"Village character"「村的な性格」の音楽がいいと答えている。そういう中でしか生まれない音楽的感動について言及している。ライの作品や、「ブエナ・ビスタ」を仕掛けたライの仕事を思いながらこのインタビューを読み直すと、大いに納得できる。
アルバムは、労働組合潰しの暴力団を告発したウディ・ガスリーの「自警団員」で終わる。この辺りも、最近の傑作「吾輩は赤猫バディである」を聴いた今は、いっそう感慨深い。ライの取り上げる音楽への理解と共感は、興味本位の表面的なものではなく、かなり深い所にあったようだ。
「自警団員」を弾き語るライ
アルバム収録曲「Teardrops Will Fall」を歌うライ
by pororompa | 2009-01-04 17:02 | 音盤的日々 | Comments(0)