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semスキン用のアイコン01 【音盤的日々 203】 THE DAVE PIKE QUARTET / PIKE'S PEAK semスキン用のアイコン02

  

2008年 12月 29日

e0006692_18213453.jpg これは今年買った中ではかなり聴いた方に入る。どこで買ったのか思い出せないが、どっかの中古屋であまり期待せずに買ったものだ。それが聴く度に気に入ってきた。

 アルバムは長けりゃいいってもんじゃない。名盤はほどよい長さで引き締まっている。LPの時代、ジャズは4曲から6曲。多くて8曲が1枚のアルバムの曲数だった。この「パイクス・ピーク」は5曲だ。その5曲がどれもいいから、これも名盤に決定だ。

 アルバムはコルトレーンの「インプレッションズ」とどう聴いても同じの、「ホワイ・ノット」という曲から始まる。哀愁風味を帯びたテーマが軽快に走る中、パイク氏がうなりながらヴァイブを叩く。キースみたいな嫌味なうなりじゃなくて、演奏に没頭する様が目に見えるような微笑ましいうなりだ。ソロを聴けばミルト・ジャクソンじゃないなというのはすぐ分かる。この哀愁風味で叩きまくるというのはこの人の音楽的な好みを表しているようで、全体がそんな選曲だ。

 2曲目がエリントンの「イン・ナ・センチメンタル・ムード」。ミディアム・スローのテンポで、これも哀感たっぷりに叩き出す。控え目にバッキングしているのは、なんとビル・エバンス。スコット・ラファロを亡くして落ち込んでいた時の数少ない録音らしい。主役を食うほどの覇気はなく、精神的リハビリという感じの演奏だが、途中のソロはやはり全盛期のエバンスだけあって凄みがある。

 3曲目のブルースナンバーも雰囲気を壊さない。そして4曲目が「ベサメ・ムーチョ」ときた。さすがにエバンスには似合わないが、パイクはいかにも「この曲が好きなんだ」という感じの演奏だ。軽快なラテンビートに乗って、うなりも心なしか一段と高くなった感じで、一世一代の名演を展開する。

 ラストの10分近いバラードがこけたらこのアルバムも台無しだったろうが、これがまたいい。ジャケット裏を見ると、青二才という感じの白人青年が写っている。この後ポップス方面に転身したというパイクだが、ジャズに情熱を燃やした若き日の最高の記念碑がこの演奏ではなかろうか。まさに「ピーク」だったのだろう。
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by pororompa | 2008-12-29 18:56 | 音盤的日々 | Trackback | Comments(0)

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