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semスキン用のアイコン01 【音盤的日々 140】 JIM HALL / CONCIERTO semスキン用のアイコン02

  

2007年 11月 11日

e0006692_123460.jpg CTIはクリード・テイラー氏のレーベルである。ぼくが一番熱心にジャズを聴いていた70年代に、CTIは一部でけっこう人気があった。ぼくはこの人の作る露骨な売れ線ねらいのレコードがあまり好きになれないので、あまり持っていない。これはぼくの持っているたぶん唯一のCTI盤だ。昨日図書館で借りてきた本にこの盤のことが載っていたので、久しぶりにLP棚から取り出してみた。

 その本は図書館の閉館間際に、借りる最後の一冊で入れた本だ。宮崎県の県立図書館は市立図書館に比べて、いろいろぼくには不満がある。市立図書館ではどれを落とすか悩むのに、ここでは借りるべき本があまりなくて悩む。だがその最後の一冊は意外に面白かった。そしてぼくはこれを十数年ぶりに聴いたのだ。

 なぜぼくがこれを買ったかというと、たぶんラジオで聴いて気に入ったからだと思う。メンバーを見ると、ジム・ホールのギターに、ポール・デスモンドとチェット・ベイカーの2管、ピアノがローランド・ハナでベースがロン・カーター、そして今日気が付いたんだがドラムがスティーブ・ガッドだった。これだけのメンツが揃えばそれほどひどい音楽にはなりそうもない。それにしてもスティーブ・ガッドはロックのイメージが強いけれど、この時代からジャズをやっていたんだな。フュージョン嫌いだからあまり知らなかったけど。

 A面は4ビートのコンボ演奏だ。曲もいい。なんとなく加工された感じには聴こえるが、ロン・カーターのベースの音のせいではないかと思う。まあダイナミックにアドリブするより「抑制された美」という感じのメンバーだから、白熱したソロの応酬がなくてもよいが、ベースが違ったらもう少しナチュラルな感じにはなっていたかもしれない。でもさすがに名手揃いだから、演奏は気持ちよく流れていく。

 B面は全部をドン・セベスキーのアレンジによる「アランフェス協奏曲」で埋めている。この辺りがテイラー氏の意図なんだろうし、現にそれは当たって、このアルバムはその時代に評判になりかなり売れた。筋を曲げないジャズ・メンは貧乏している気の毒な人が多いから、たまに売れ線で金が入るのも悪くはないし、CTIに参加するのもそういう恩恵があるからなのだろう。

 問題はそのアレンジなんだが、ここではアランフェスの第2楽章をゆったりした16ビートに乗せて演奏する。これが案外気持ちいい。そうかスティーブ・ガッド、今思えばこれははまり役だったんだな。下手にストリングスなんか入れなかった所も救われている。

 たしかにイージー・リスニングな作りではあるけれど、名手達の押さえた技が見え隠れし、売れ線の中にもプライドを込めた演奏や編曲をしていたのだなということが伺われる作品だ。CTIの中にまだ見落としているいい作品があったら、どなたか教えていただきたいものだ。
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by pororompa | 2007-11-11 12:52 | 音盤的日々 | Trackback | Comments(0)

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