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semスキン用のアイコン01 【音盤的日々 127】 BOBBY ENRIQUEZ / THE WILDMAN RETURNS semスキン用のアイコン02

  

2007年 08月 30日

e0006692_19394110.jpg サーカスなどでわざと失敗したりして道化を演じる人は、もちろん優れた技を持った人だろう。そうでないと務まらないに違いない。
 
 このフィリピン人の凄腕ピアニストも、ジャズ界で道化を演じていた。そうなったのも当然かなと思えるくらい、この人のパフォーマンスは面白かった。何年前だったか、ずいぶん昔のことだが、ぼくはリッチー・コールというアルト吹きのレーザー・ディスクを買った。ライブ盤だった。その中にこの滅法面白い、強烈にスウィングするピアニストがいた。どう見ても主役を食っていた。ハワイやフィリピンのバーで酔客を楽しませていたというが、もし楽しい宴会の席にピアノがあり、この人物が現れてピアノを弾けば、即座に馬鹿受けだろう。

 この人を売ろうとした者達も、その面白さを売りにしようとした気持ちは分かる。このジャケットを見れば、真面目なジャズ・アルバムとは思えない。

 ところが洒落っ気があるのは1曲目の「ピンク・パンサーのテーマ」ぐらいで、あとはよくスウィングするジャズ・ピアノだ。ちょっと崩れたオスカー・ピーターソンというような感じで、アドリブがぐんぐん湧き出るように続く。改めてジャケットを見直すと、ベースはレイ・ブラウン、ドラムはアル・フォスター。映像で観るような破天荒な面白さはないが、ひたすらスウィングするジャズ・ピアノがある。

 ようやく終わりの方に出てくる、ジャズでは珍しい「ブルー・ハワイ」が、映像で観たこの人らしさを一番伝えているような気がする。他は意外にも硬派のジャズ曲が並ぶ作りなのだ。選曲を変わったもので固めたら、もっとこの人の面白さが分かるのにと、物足りなく感じる部分はある。でも、この人が本当にやりたかったのはストレートなジャズだったのかも知れない。こちらもほろ酔いで、憂さを忘れてこのピアノに身を任せるのが正解なのだ。この売り方で寄って来た人もいれば、真価に気付かなかった人もいることだろう。
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by pororompa | 2007-08-30 20:16 | 音盤的日々 | Trackback | Comments(2)

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Commented by れおじ~ at 2013-03-29 13:10 x
私もたまたまですが、同じレーザーディスクを持っていました。そしてエンリケスのピアノプレーに度肝を抜かれて・・・^^;
もう他界してたのですね。一度生で見てみたかったです。
Commented by pororompa at 2013-03-30 10:13
えっ!?、そうなんですか。まだ若いと思っていました。残念ですねえ。才能あったと思います。楽しいピアノでした。