第17捕虜収容所
2007年 07月 15日
レンタル・ビデオ屋も、最近はとんと行かなくなった。返すのが面倒だ。まあしかし、もっと映画好きだったら今もお世話になっていただろうと思う。
そのレンタル料と同じぐらいの値段でDVDが売られている。あやしいコピー作品なのだろうが、よく見ると相当古いものばっかりなので、著作権が切れていたりして一応合法なのかなと思う。ぼくは古い作品でもモノクロでも一向に気にならないし、映画ファンと言うほどでもないから観てない作品も多いので、この値段で返しに行かなくてもいいなら魅力的だ。映画の文庫本みたいなものか。
と言っても音楽と違って、映画は何度も観るものではない。観る人もいるのだろうが、ぼくは観ない。ストーリーが分かってしまうと、もう観るのはきつい。ビデオで置いていたもので何度も観たのは、チャップリンだけである。だからぼくはCDはたくさん持っているけれど、映画のビデオやDVDはあまり持ってはいない。まあしかし20年もたてば中身も忘れているだろうし、この安さだ。そう思って買ってみた。
若い頃この映画を観て思ったのは、重そうな題材を何と面白く、楽しませ、笑わせながら語っていくか、ということである。今回観直して、いささかふざけ過ぎではないか、これはコメディ映画だったのか思ったぐらいだ。そうした中で謎解きでぐんぐん惹き付け、悪役のナチのスパイをちゃんとやっつけ、スカッとした気分でENDマークまで連れて行ってくれる。この語り口は素晴らしくうまい。脱走ものなら「大脱走」という有名な映画があるが、ぼくはこちらの方が数倍好きだ。
監督はビリー・ワイルダー。「アパートの鍵貸します」で笑わせ、泣かせてくれたあの監督だ。調べてみるとこの人は、母と祖母をアウシュビッツで殺され、自身も祖国を追われている。そう思いながら観ると、笑いの裏に重く沈む悲しみが感じられて、一段と深いものがあるだろう。とにかく面白い映画だ。
by pororompa | 2007-07-15 18:32 | たまには映画を | Comments(0)