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semスキン用のアイコン01 【音盤的日々 111】 CHARLIE HADEN & HANK JONES / STEAL AWAY semスキン用のアイコン02

  

2007年 05月 06日

e0006692_22395497.jpg 何も楽しいことなど無かった連休が終わろうとする夕方に、遠くで誰か呼んでいるような声がした。玄関に出てみるとそれは佐川急便の配達の人で、CDをただ1枚届けに来てくれたのだった。それは「メール便」と呼ばれる安価な配達物で、たしか郵便受けに入れておけば済むはずのものだが、できる限り本人に渡そうと思って呼んでくれたのだろう。

 何のCDが届いたのかピンとこなかった。開けてみるとこのアルバムだった。某大手通販のサイトでバーゲンで出ていたので注文していたのだった。こうしてこのCDは寂しい夕暮れに我が家にやって来た。

 聴いてみると、ちょっと憂鬱な休暇の終わりにはぴったりの音楽だった。枯れている。枯れ過ぎていると言ってもいい。チャーリー・へイデンとハンク・ジョーンズのデュオによる黒人霊歌・聖歌・民謡集。

 「ヘイデンのデュオに駄作無し」という言葉を時々ネットで見かけるが、ぼくも同感だ。デュオに限らず、彼の仕掛けた作品はどれも期待を裏切らない。しかし、これはあまりにも淡々とし過ぎているのではないか。例えばケニー・バロンとの「Night and the City」なんかと比べても、いかにも渋過ぎる。文句なく五つ星をあげたくなるような曲はない。一つ一つがあっさりとして進んで行く。曲の良さに寄りかかったような演奏ではという気もする。ハンク・ジョーンズという人が、主役を張るには地味過ぎるのか。

 それでも聴き終わった「後味」は不思議に良かった。気持ちが満たされ、もう一度聴きたくなった。いったい五つ星をあげたくなるような曲がないのに、全体が五つ星ということがあるだろうか。一人も区間賞がいないのに優勝してしまう駅伝チームのようなものだろうか。そしてこの、アルバム全体の統一感と、良質の音楽が1時間以上並ぶ量感。

 それからぼくは思い出した。「Night and the City」も後になってじわじわと気に入ったことを。そういった深みを、これから感じさせてくれるのではという期待が、「ヘイデン印」にはある。結局これも、何度もトレイに乗せることになるのだろう。
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by pororompa | 2007-05-06 23:34 | 音盤的日々 | Trackback | Comments(2)

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Commented by 平泉澄 at 2007-05-07 10:18 x
こんにちは、ご無沙汰しています。
ヘイデンのデュオは確かに胸にしみるものが多いですよね。
このアルバムは知りませんでした。pororompa さんのこの文章を読んで、何だか無性に聴いてみたくなりました。試しにHMVを覗いてみたら、なかなか魅惑的なコメントが載っており、私も今度注文してみたいと思いました。
Commented by pororompa at 2007-05-07 19:38
 いつも最後に満足度を星にしているのですが、これはどうつけてよいか迷いました。何か物足りないので満点にはしたくないのですが、意図的にそんなふうに作っているような感じもして、そして「そこがいずれ気に入るだろう」と作り手が言っているように感じたのです。「おまえは最初これが分からんだろうが、いずれ分かる」という感じで。
 それを感じさせたのは、作品に漂う「品」みたいなものでしょうか。いつも星はその時の気分なのですが、今回はきっとこう変わっていくだろうという気持ちでつけました。
 ヘイデンってベース・プレイそのものもいいですね。ピアノとベースのデュオは、ベースを聴くためにあるという気がしてきました。