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semスキン用のアイコン01 【音盤的日々 103】 MILES DAVIS / BAG'S GROOVE semスキン用のアイコン02

  

2007年 04月 14日

e0006692_11203960.jpg 何という下手なラッパだ。「バグズ・グルーブ」。54年録音。パーカーのダイアル盤やサボイ盤で耐え難くクサいフレーズを吹くしかなかった40年代の頃の演奏とあんまり変わらん。

 テーマはいい。ミルトとのバイブと絡んで、格好よく始まる。ところがソロに入ると、アイデアを無くしたような退屈なフレーズが続く。しかも、ボーナストラックでもないのに別テイクまで入っている。BGMぐらいにはなるかなと気を取り直して仕事を始めても、どうにも気になって集中できない。それほど陳腐なアドリブ・ソロだ。おまけにバックでピアノも鳴らないので、陳腐さが剥き出しになって寒々としている。一体マイルスを「帝王」だとか「ジャイアント」だとか崇め始めたのはいつ頃からなのか、ぼくは聴きながら改めて思った。

 プレスティッジやリバーサイドの超有名盤が1100円。しかもそれが2割引きというので、新星堂さんに予約しておいたのだが、その内の5枚が届いた。今回はLPで持っていたのはない。いろんな理由で買いそびれていたものばかりだ。

 その内の2枚は、マイルスとモンクの悶着で有名なクリスマス・セッション。もちろん、あちこち何度も耳にしていた演奏ではあったが、買ったのは今回が初めてだ。誰もが讃えるマイルス・デイビス。その良さが分からないでは損ではないか。偏見なしに、改めてじっくり聴いてやろうと思ったのだった。外れてもミルト・ジャクソンだ。大体「バグズ」というタイトルからしてミルトだ。他の面子も悪くない。そして中身を保証しているかのようなこのジャケットだ。

 ところが、ミルトはタイトル曲だけ。そしてこの演奏。こりゃあ買うまでもなかったかと思っていたら、案外にミルト抜きの後半がかなりよかった。ここでの主役は3曲も自作を提供している若きロリンズだろう。リズム隊はホレス・シルバーのピアノにMJQのベースとドラムで、安定した、勢いのある、気持ちよい演奏が聴ける。どれも軽やかなミディアム・テンポで、マイルスもここでは無難に吹いている。

 もう一方の「And The Modern Jazz Giants」も似たり寄ったりだ。LP1枚半程度の分量を、無理に水増しして2枚にしたような編集である。唐突に出てくる、コルトレーン入りの56年録音「ラウンド・ミッドナイト」が、マイルスの演奏としては一番よい。

 演奏と、「売り方」の問題を考えさせられる作品だった。主役に不満を並べても、結局はアルバムとしては楽しませてもらう。優れたジャズメンの、総合的な力で。そう言えばマイルスのアルバムって、ワン・ホーンってあんまり聞いたことないな、いつも絢爛豪華な共演者達をはべらせたような作りじゃないか、とぼくはぼんやり思った。
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by pororompa | 2007-04-14 12:09 | 音盤的日々 | Trackback | Comments(0)

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