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semスキン用のアイコン01 NEIL YOUNG / LIVING WITH WAR semスキン用のアイコン02

  

2006年 08月 01日

e0006692_2013975.jpg 素晴らしい!やってくれました!泣けます!。不覚にも、こんな作品が出ていることに気が付かなかった。インターネットで見つけて、即注文。ロック界の巨匠、ニール・ヤング御大の、反戦・反イラク戦争・反ブッシュで貫かれた大傑作。

 アルバム丸ごと反戦・反ブッシュ。全体が一大反戦組曲となっている。徹底的に言いたいことを言い切っている。よくぞここまでやったり。その心意気、正義感、勇気(アメリカでここまでやることは、命の危険もある)。本当に感動します。

 詞の意味を知らずに普通に聴いても、ロックとして十分いい。そして詞は、いつになく分かりやすく、誰が聴いてもその意図が伝わるように書いている。それを、放送禁止になることを十分見越して、専用サイトを立ち上げ、詞を全面公開、曲も丸ごと全部聴けるようにした。金じゃない。俺の言いたいことを聴いてくれと言う徹底ぶりが素晴らしい。

 もちろん、金は十分稼いだからできることだろう。でも、じゃあ他の誰がここまでやった?。 ここまで徹底的にやった有名ミュージシャンがいるか?。「この戦争はまちがってるんだ!」「人が殺されているのが放っておけるのか!」という純粋な叫びが、ビンビン伝わってくる。

 その心意気を受けて、全部日本語の詞に訳して発表した方がいる。ここを見てほしい。これも素晴らしい仕事だ。

 1曲目、After The Garden、戦争の残す荒廃を描く歌でCDはは始まる。これを聴いて合唱組曲「平和の旅へ」(園田鉄美氏・松永真司氏らによる、核戦争の恐怖を告発した傑作)の1曲目「ボタンの向こうは冬」を思い出した。そして、戦争とともに生きている現実、それで儲ける者達の存在、後戻りできない侵略の過ちが、明快なロックサウンドにのせて歌い込まれる。
 中間部では、戦場で家族に思いをはせる兵士の心、息子を送り出す親の心が続けて歌われ、それから、「嘘つき大統領を早く追放しろ」という明確なメッセージの歌が始まる。途中でブッシュのいい加減な演説がそのまま流れ、シュプレヒコールのようにニールの声が重なる、かなり思い切った歌だ。
 それを受けて「本当のリーダーを探している」と続き、9曲目、命を落とした親友に語りかける歌でぐっと深まった後、フィナーレは愛国的なバラードを無伴奏で合唱する。ニールのサイトにある映像ではここで戦死者のテロップが休みなく続き、一面兵士の墓の映像が流れる。皮肉が効いているとともに、本当の愛国とは何かを考えさせる見事な構成だ。

 ぼくはこれを聴いて「プロテスト・ロック」という言葉が思い浮かんだ。昔「プロテスト・フォーク」というジャンルはあったが、「プロテスト・ロック」という言葉は聞いたことがない。それに価する歌はあったかもしれないが、散発的で、まとまったものにはならなかったと思う。けれども、ここで御大がやったことは、「プロテスト・ロック」だ。まさにロックの持つエネルギーやパワーを効果的に使っている。これは生ギターでジャカジャカやってはなかなか出せないものだ。どっちかというとアコースティック好みでロック嫌いのぼくでも、これは面白いと思った。ロック・ミュージシャンの、ひとつの理想型を見せてくれた。

 ニール・ヤングは既に不滅のロック野郎としての評価を得ていたが、この作品で一段も二段もまた評価を高め、歴史に残る偉大な音楽家となったと思う。戦争に対してどんな姿勢でいたかということは、重要だ。西条八十だ、山田耕筰だとか言っても、戦争協力の作品を残した汚点は消えない。所詮その程度の人間でしかない。金子光晴と比べて見るといい。

 イラク爆撃にすぐ異議を唱えたグレイの諸君よ、ここまでやったら本物だ。アメリカによる「いじめだ」と不快感を表明したスピッツの草野正宗氏よ、あなた方にもぜひやってほしい。

 とにかくロックの大親分がCD丸一枚反戦を叫んだ意義は大きい。聴くほどに元気が出てくる、強力推薦盤です! 力作翻訳サイトとともに聴きましょう。

 最後にニール・ヤングご本人のお言葉。(某サイトより拝借)
「私は18才から22才ぐらいの若いシンガーがこういった曲を作り、立ち上がるのを待っていた。本当に長いこと待っていた。しかしやがて、60年代の青春を過ごした世代が、まだまだこうしたことをやっていかねばならないのだと思い始めた。私たちはまだ現役なのだからね。」
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by pororompa | 2006-08-01 21:37 | 音盤的日々 | Trackback(3) | Comments(4)

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Tracked from 俺の明日はどっちだ at 2006-08-02 00:00
タイトル : “ LIVING WITH WAR ” Neil Young
「私は、18才から22才ぐらいの若いシンガーがこういった曲を作り、立ち上がるのを待っていた。 本当に長いこと待っていた。しかしやがて、60年代に青春を過ごした世代が、まだまだこうしたことをやっていかねばならないのだと思い始めた。私たちはまだ現役なのだからね」前作『プレーリー・ウィンド』に続いてニールヤングの新譜が早くも完成した。 題して“ LIVING WITH WAR ”。雑誌『Rolling Stone 』の記事によると、ちょうど1ヵ月前、たった6日間で録音されたというこのアルバム、“Let's ...... more
Tracked from Muse on Music. at 2006-08-02 12:37
タイトル : ニール・ヤング@反戦・反ブッシュ
ニール・ヤングの新作が日本では6月21日に発売される。アメリカではすでに、イラク戦争とブッシュ大統領を真っ向から批判するアルバムとして大きな話題となっている。ネット上ではすでに全曲フル試聴ができる。→『Living With War』試聴 ←アメリカ盤 ニール・ヤング/リ..... more
Tracked from 千酔亭日乗 at 2006-08-02 22:12
タイトル : 還暦オヤジの反戦ロック
ニール・ヤングの作品は以前にも一度紹介していますが、 この度、過去のどのアルバムよりも強烈なメッセージを放つ作品を リリースしましたので、再度取り上げない訳にはいきません。 (日本盤は6月21日発売) Neil Young "Living With War" 2006 シンプルこの上ないジャ..... more
Commented by muse at 2006-08-02 12:46 x
こんにちは。トラックバックどうもありがとうございました。
ほんとうに、この作品のパワーには驚きです。一枚まるごと反戦メッセージのロック・アルバムというのはこれまでに無かったことですよね。アメリカ本国でこれだけ非難の声があがっているというのに、日本はどうなのでしょう?
Commented by pororompa at 2006-08-02 18:15
museさん、トラックバックさせていただいたばかりでなく、コメントまでいただき、ありがとうございました。ニールのこの作品には、いい意味で大いにショックを受けました。賛同の意思表示をして、広くつなげていくことが、ニールの想いにつながると思います。
Commented by 千酔亭 at 2006-08-02 22:21 x
TBありがとうございます。このアルバムの価値をわかってくれる人が1人増えたのをうれしく思います。改めてニール・ヤングという表現者の素晴らしさを知った思いですね。
Commented by pororompa at 2006-08-02 22:57
千酔亭さんもコメントありがとうございます。本当に改めてニール・ヤングの凄さを見せつけられたという感じですね。もう一度彼の作品群を聴き直そうと思っています。