【音盤的日々387】KENNY BURRELL / GUITAR FORMS
2017年 04月 02日
そんなことを思いながら昨日を過ごした。けれども、ともかくも教員を続けることを決めたぼくには、いつもの年度替わりだった。違っていたのは転勤したことぐらいだ。
いや、そうではなく、「退職」という看板は意外に重みを持っていたのかも知れない。離任式や送別会でいただいたお祝いやお別れの言葉は、何十年分もあるのではないかと思うほどだった。その中には、少なからず「退職祝い」も入っていたのだろう。思いがけず息子や娘からもあらたまったお祝いのメールをもらった。
そんな温かい夢のような祝福に包まれて、ぼくは残った仕事をした。前任校の6年間溜った荷物を片付けるのは予想以上に大仕事だったけれど、たくさんの、特に教えた子どもたちからの温かい手紙を読んで半ば夢心地で働いたので、苦痛はなかった。「報われようとしてはいけない」を肝に銘じ続けてきたこの仕事だが、今ばかりは「報われたような幸せ」に浸っていよう。
今日は完全オフを決め込んで、そう言えば届いたまま未開封になっていたジャズのCDを開けた。ケニー・バレル。好きなギタリストの一人だ。
いろいろなフォームで取り組むという趣向のようだ。クリード・テイラーの臭いがするからあんまり近づかなかった作品の一つだが、これはそう酷くない。本人の意向で始めた企画だということだ。中にいい曲もある。いつにない傾向のアプローチが新鮮だ。アコースティックを弾かせてもうまい人だということが分かる。「グリーン・スリーブズ」が瑞々しい。⑧のバラードも聴かせる。
さあ、新しい出会いに期待しよう。シャッフルは終わった。こんどはどんな手か。元気は十分だ。
by pororompa | 2017-04-02 22:12 | 音盤的日々 | Comments(0)