ウィーン室内合奏団+A・プリンツ(cl) / モーツァルト:クラリネット五重奏曲
2006年 01月 13日
山の中の清々しい空気の中にこの妙なる調べが鳴り渡ると、子どもたちの話し声や足音が聞こえて、古い文学の1ページのような、どこか時代を越えた光景が現れた。今も第1楽章を聴くとその光景がパッと浮かぶ。
クラリネットはぼくの子どもの頃憧れの楽器だった。ラジオなんかで音は聴いていたが本物を見たことがなかった。何しろ、村の小さな小学校はピアノには鍵がかかっていたし、でこぼこのトランペットは棚にあった記憶があるけど飾り物だったかもしれない。プラスチックのリコーダーを吹きながら、いつかクラリネットを吹いてみたいと思っていた。そして学生時代に中古を手に入れたが、結局手に負えずに手放した。
実を言うとクラリネットは我が家にもう一本ある。娘が中学校のブラスバンドで吹いていたが、長くしないうちにやめたためだ。それが多分娘の部屋にある。娘の場合は楽器は吹けたがブラスバンドそのものになじめなかったようだ。親子で少しずつ関わりのある楽器となってしまった。
このCDは弦の演奏もいいな。押しつけがましくない。よく分からないまま買った廉価盤だったんだが、かなりの「当たり」だったようだ。
by pororompa | 2006-01-13 23:20 | 音盤的日々 | Comments(0)