【音盤的日々 342】ART FARMER / ON THE ROAD
2013年 10月 12日
運動会も終わり、1学期も終わって、今年度のハーフ・タイム。年に一度の平和コンサート出演もうまくいって、ほっとしている。ずっと買ったままだったこのLPを、やっと聴いた。
新品ということだった。「同様」ではなくて、「新品未開封」だそうである。昔の売れ残りか何かなのだろう。針を落としてみる。確かにノイズのないクリアーな音が流れ出した。
’70年代のコンテンポラリー。このジャケットは懐かしい。町角でたばこを片手に微笑むアート・ファーマー。学生時代にジャズ喫茶で流れていた。それほど話題になった作品ではなかったが。
いや、話題にはそこそこなったかもしれない。アートはアートでも、麻薬地獄から帰ってきたあのアート・ペッパーが客演していたからだ。そして、そのプレイは、何かが欠けていた。昔誰もが魅了されたあのペッパーではなかった。そんなこともあってか、それほどもてはやされなかった作品と記憶している。
今の耳で聴き直してみる。再起後のアート・ペッパーは別の人だ思うことにする。そんな思いで聴き直すと、なかなかよい。そして主役のファーマーはいつもの通りのファーマーである。温かいフリューゲル・ホーンの音色が好ましい。
'50年代に比べたら洗練されたスタイルに変わったハンプトン・ホーズも、さりげなく好演している。ファーマーとふたりでやる「My Funny Valentine」が聞き物だ。続いて流れる「Namely You」、この曲のよさを再認識した。全体に選曲もよい。ベースがレイ・ブラウンで全体を引き締めている。
本当に何十年ぶりに、新品のLPのわくわく感を味わった。
by pororompa | 2013-10-12 17:44 | 音盤的日々 | Comments(0)