【音盤的日々 324】 KENNY BARRON TRIO / THE MOMENT
2012年 11月 10日
確か福岡で買ったものだ。あまり時間の余裕が無くて、乗り換えの合間にちょっと寄った天神の中古店だった。帰って聴いてみたら意外に良くて、「at Bradley's」も聴いた頃だったので、いよいよバロンのファンになった。
「フラジャイル」はスティングの曲として有名なようだが、実を言うとぼくは聞いたことがない。だいたいスティング自体をよく知らない。だからこの前この曲の伴奏を頼まれたけど、お断りしたぐらいだ。だがこの演奏を聴く限り、哀調のあるいい曲だ。4ビートでない、ボサノヴァを感じさせるようなゆったりとした16ビート解釈は、リズムとして好きだ。
録音は1991年。’91年というと、ジャズ聴きには新しい感じがするが、それでも二十年以上前だなあ。ちょうどぼくがジャズをあまり聴かなくなっていた時代か。こんな所にもRVGの名前があって、ヴァンゲルダーさんもこんなジャズ不遇の時代にまでがんばっていたのかと、思わず感慨に耽ってしまった。
メンバーは、ドラムもベースもあまり知らない人だが、その時代では有名だった人なのかも知れない。ドラムは出しゃばらずいい感じでスウィングする。4ビート以外もうまい。ベースも悪くない音色で品よく絡んでくる。手慣れた名手という感じだ。9曲入りだが、一つが8分、9分あるから、トータル71分、2曲目から聴いてもたっぷりピアノ・ジャズを堪能できる。
by pororompa | 2012-11-10 17:58 | 音盤的日々 | Comments(0)