【音盤的日々 305】 CROSBY, STILLS & NASH
2012年 01月 04日
2012年 明けましておめでとうございます。
昨年は、世の中は大震災で大変、 個人的にもあまり面白くない年でした。
今年は明るいことの多い年だといいですね。
このブログも、もうしばらくこのペースで書いていきたいと 思います。
よろしくお願いします。
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言わずと知れた歴史的名盤。個人的にも思い出のいっぱい詰まったアルバムである。水害でLPを捨てて以来、何か落ち着かなかったし、CDも持っていなかったので、暮に何枚かまとめて通販で注文した時に、これも入れておいた。正月に久しぶりに故郷の日向市へ帰った時に、車の中で聴いた。
このアルバムのCDは、今はライノからボーナス曲を追加して出ているが、オリジナル通りの曲目の旧盤を選んだ。「デジタリー・リマスタード」とあるが、音は期待したほどはよくない。元がよくないのだろうか。装丁は紙ジャケでもない、普通のプラ・ケースだ。オリジナルLPのあの手触りが懐かしい。これと「デジャヴ」は、いずれ程度のいいLPを手に入れなくちゃな。
あらためてこの作品を通して聴いてみると、いろいろ思うことがあった。まず、スティルスが元気なこと。後の時代の作品を聴くと、スティルスの作品の質が他のメンバーと比べてはっきりと劣り、寂しくなるほどだ。ところがここでの中心曲はみんなスティルスじゃないか。「青い目のジュディ」、「You Don't Have To Cry」、「Helplessly Hoping」、そしてクロスビーとの共作で「Wooden Ships」。まさにスティルスの創作意欲が溢れ出た、「輝ける青春時代」という感じだ。
あまり聴き覚えのない曲もあった。5曲目の「Pre-Road Downs」。ナッシュには悪いが、これはアルバム唯一の駄曲である。LPではA面のラストに当たるので、いつもここになると針を上げていたような気もする。「マラケッシュ急行」も「島の女」も、悪くはないが「デジャヴ」の中の「僕達の家」や「ティーチ・ユア・チルドレン」ほどの重みはなく、ソング・ライティングに関しては、ナッシュはまだこの時期では脇役という感じだ。とは言え、絶妙のハーモニーはもちろんナッシュがいてこそのもの。
では、クロスビーは?。「Guinnevere」と「Long Time Gone」で渋く引き締めるクロスビーは、いつも作品に格調と重みを与えていた。「Long Time Gone」は「青い目のジュディ」のシングル盤のB面だったっけ。「ローング ターイム カミーン~・・・」、初めて聴いた時の感動を覚えている。
故郷と言ってももう親も兄弟もいない。妻の実家に顔を出すと、義弟の子どもたちがもう中学生になっていたりして、いやでも自分の年齢を実感させられる。しかし自分の、それこそ「輝ける青春時代」に刷り込まれた音楽というものは、老境に入っても消え失せることはないのだろう。CDとは言え、ようやくこの作品を手にし、耳にして、何となく心安らぐ正月だった。
by pororompa | 2012-01-04 19:33 | 音盤的日々 | Comments(4)
私も若かりし頃レコードで聴いた音楽を最近またCDで求め、ひとり車の中で聴く事があります。・・・やっぱりこれだよなぁという感慨です。
おっしゃる通り、CS&Nのファースト・アルバムでのスティーヴン・スティルスは元気ですね。でも、ニール・ヤングが参加するとスティルスの存在感も少々薄れているように思えてなりません。個性の強い二人がぶつかり合うので仕方がないといったところでしょうか。
スティルスは数年前に病に倒れましたが、現在は快復。今後も円熟した魅力を見せつけてもらいたいものです。
ニールの参加でスティルスの影が薄れたと思ったことはありませんが、溢れ出るようなニールの才能は多分スティルスにはまぶしかったと思います。
ただ、ニールの参加した「デジャブ」でもスティルスは「キャリー・オン」などで光を放っていましたよね。後年の作品は残念なものが多かったのですが、もう一花咲かせてほしいものです。
ところで、Backstreetsさんのサイト、ちらりと拝見しましたら、大役など興味深い記事がならんでおりましたね。相当お詳しい方とお見受けしました。楽しみに読ませて頂きたいと思います。