【音盤的日々 287】 RAY CHARLES & CLEO LAINE / PORGY & BESS
2011年 06月 18日
以前はよくしていたLPのCD化も、この頃はあんまりやらなくなっている。LPの方が音がいいし、取り込むのはいろいろと面倒だ。ただ、2枚組とか箱物はどうしてもおっくうで聴かなくなる。昔はよく聴いたこのレイ・チャールズの「ポギーとベス」を、急に手軽に聴きたくなり作ったものだ。
ガーシュインの「ポギーとベス」は、MJQやローランド・ハナとジョージ・ムラーツなど愛聴盤が多い。曲がいいということかな。ただ、サッチモとエラのはいいと思わなかった。仰々しすぎて、2人の持ち味を損なっている。プロデューサーのノーマン・グランツのせいだろう。
このレイとクレオ・レーンの作品も同じグランツの制作なので、そういう面はある。元々がクラシックの系列に入るオペラ作品なのだから、高尚にしようとしたのは分かる。ただ、時代もあるのかもしれないが、この作品はサッチモの盤よりずっと親しげだし、ジャズを感じさせる。
ぼくはこれが発売された1970年代に買って、レイ・チャールズを初めてじっくり聴いたのだった。驚いたし、素晴らしいと思った。「ポギーとベス」の名曲群はすでになじみだった。その名曲の数々を歌うレイのうまさに惹き付けられた。クレオ・レーンも、曲によってはどうかなというのもあるけど「ストロベーリー・ウーマン」なんかではいい味出している。悪くない。
この中のは他ではあんまり聞かない曲も入っているが、改めて思うのは「ポギーとベス」は有名曲以外でもいい曲ばかりである。軽快にスウィングする「A Woman Is A Sometime Thing」や「I Got Plenty O' Nuttin' 」は、レイに合っているし、カニ売りの行商の歌とか、シンプルなんだがそれだけにレイの凄さが出ている。もしレイ・チャールズや「ポギーとベス」のファンでこれを聴かれていない方がいたら、ぜひともお薦めしたい。
*YouTube Porgy & Bess (Ray Charles) A Woman Is a Sometime Thing
*YouTube Porgy & Bess (Cleo Laine) Strawberry Woman
by pororompa | 2011-06-18 13:54 | 音盤的日々 | Comments(0)