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semスキン用のアイコン01 【音盤的日々 261】 BILL EVANS / WALTZ FOR DEBBY semスキン用のアイコン02

  

2010年 06月 06日

e0006692_19423064.jpg 何という美しい音楽だろうか。この奇跡のような作品は、100年後も、200年後も、バッハやモーツァルトのように聴かれ続けるに違いない。

 今日はあえて別テイク等は交えず、この作品のオリジナル通りに6曲を聴いてみた。

 冒頭の「マイ・フーリッシュ・ハート」、愚かなり我が心。心の寂しい部分にすうっと入り込んでくる。冒頭のピアノの一音に導かれるように、ベースが、シンバルが、固まりになって奏で始める。その寂しいこと、美しいこと。初めてラジオで聴いた時、一発で魅入られた。例えば映画の一場面で、主人公が懐かしい女性宅を訪ねるとする。扉を開けた時この音楽が流れてきたら、もうセリフは何も要らないではないか。音楽が持つ強い力を感じる。静かだが激しい情熱を秘めた音楽だ。

 2曲目の「ワルツ・フォー・デビー」。美しいメロディが、姿を変えて踊り続ける。特にピアノソロに入っての2:10付近の素晴しいメロディの跳躍。冷たい頭から生まれない、今、躍動するリズムに乗って作り上げるジャズだからこそ出た音の流れだ。ポール・モチアン、あまり評価されないこの人の叩くリズムが大好きだ。スウィングしているのだ。トリオが一体になってスウィングしている。

 3曲目の「デトゥアー・アヘッド」。これも寂しい響きだ。寂しい中に何か諦めのような悟りがある。ここではベースの応答が印象的だ。ピアノの旋律に対等に絡んでくるベースに、多くを語らせている。そしてそれに答えてまた高まってくるピアノ。何度聴いても飽きない演奏だ。全曲全演奏素晴しいこのアルバムの中で、最も地味と言えるこの曲の、何という奥深い素晴らしさ。

 4曲目、LPではB面1曲目「マイ・ロマンス」。曲は甘いが、ビルの演奏はだんだん熱を帯びて、力強いものになる。そしてラファロのソロのバックで奏でるピアノのうまさよ。曲の甘さを損なわないまま、ぐんぐんとスウィングして終わる。

 そして5曲目。バーンスタインの名曲「サム・アザー・タイム」。ビルのために書かれたような曲。圧倒的な説得力。すごいねえ。聴かないで騒いでいる客は、作品になった後で恥かいたかなあ。

 ラストは躍動的な「マイルストーン」で終わる。ほんとに名演ばっかり。すごいアルバムだ。入門用によく紹介されているけれど、確かにそれは分かるけれど、30年聴いても圧倒される。世界遺産。
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by pororompa | 2010-06-06 19:43 | 音盤的日々 | Trackback(1) | Comments(0)

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