【音盤的日々 257】 BOB MARLEY & THE WAILERS / BURNIN'
2010年 05月 03日
いやいや、そんな安易で軽薄な連想で聴いては、ボブ・マーリー様に失礼である。プロテストそのものの歌詞をよく読めば、途端に申し訳なくなり、謝りたくもなる。だがしかし、暑い国の音楽ではあるよな。シリアスな歌詞でも、曲の方は踊ってるよな。ま、いいか。
このアルバムは「起きろ!立ち上がれ!」とアジる1曲目と、クラプトンのカバーで大ヒットした3曲目で有名なんだけど、ぼくとしては、真ん中辺りから後半が好きだ。音は悪いけど、親しみやすい協和音主体のコードにズシンと来るベース、ボブの節回しに、たたみ込むようなコーラスがいいなあ。
そうだった。これはもともとボブ・マーリーのアルバムじゃないんだ。「ウェイラーズ」名義の最後のアルバムなんだ。このコーラスを聴かなくちゃ。
そのクラプトン・カバーで有名な「I Shot The Sheriff」は、クラプトンの解釈に軍配が上がるな。「シェリーフ」と下がる所を逆に上げただけなんだけど、曲が数倍魅力的になっている。まあ、ボブ・マーリーはおもしろくなかっただろうな、きっと。
それより、「Put It On」「Small Axe」「Pass It On」と続く流れが好きだな。特に「Small Axe」。「お前らが巨大な樹でも、俺らは小さな斧、いつの日か切り倒してやるぜ」という歌詞が恐いほど凄みがある。ソロのメロディもファルセットのコーラスも最高だ。外もようやく暮れてきた。網戸ごしに夜風が気持ちいいぜ。新しい季節のスタートだ。ラストの、太鼓とベースにコーラスが絡む「Rasta Man Chant」を聴きながら、酔いが回ってくる。
by pororompa | 2010-05-03 20:47 | 音盤的日々 | Comments(0)