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2009年 12月 24日

サンタクロースをめぐる教育談義_e0006692_1928487.jpg
 今日は、受け持っている3年生の子どもたちに「子ども忘年会」をさせたら、大変盛り上がって、気分よく冬休みに突入した。今ごろは家でクリスマス・イブを楽しんでいるに違いない。

 3年生というのはなかなか面白い年代だと思った。低学年期と比べていろいろなことを自分達でやれるようになるが、まだそれほど恥ずかしがらない。つまり低学年的なよさと高学年的なよさを両方持っているので、こういうふうな子どもパーティを簡単にやってしまうのではないか。

 ある調査によると、「サンタクロースが実在しない」ことに気づき始めるのが3年生だそうだ。なるほど、理科や社会を教え始めることとも合致している。科学的な認識ができてくるということだ。こういう点でも面白い年代である。

  このブログを読んでいるような3年生は多分いないだろうから書くが、今年、サンタクロースのプレゼントにぼくの作品集のCDを求められた方がいた。大変光栄な話で、うれしく思ったが、子どもにどう説明されるのか、ちょっと心配になった。非常に優れた子だったから、真実に気づくのではないだろうか。ひょっとして、それを承知の、少数派のご家庭なのかもしれない。

 今日のMIXIの記事によると、「自分の子どもにはサンタクロースの存在を信じさせたい」と思う人は約8割だそうである。これについては別に驚きはしない。子どもたちの会話を聞いていても、そんなものだろうと思う。ぼくも教室では、この問題は、各家庭に配慮して慎重に扱っている。

 しかしぼくは、自分の子どもにサンタクロースの存在を信じさせたりは決してしない。我が子には、ほんの小さい時から、「サンタクロースはいない。お父さんとお母さんが汗水垂らして働いたお金で、お前達にプレゼントを買ってあげよう。」と言って、おもちゃ屋に連れて行った。世間的には驚かれるだろうが、我が家にとってはいたって当然のことだった。その問題に関わらず、「霊などいないのだ」とか、一貫して科学的に答えていたし、無闇に子どもには嘘を付かないように育てた。

 息子が中学生になった頃、そのことについてどう思うか聞いてみたことがある。「子どもをだますのは、親に対する不信感が起きるね」と、息子は答えるので、世間では「夢がない」とか、「ファンタジーが楽しめない」とかいう批判が多いのだよ、とぼくは言った。

 すると息子は、「優れたファンタジーは、どんなに科学的な人であってもその中の世界に引き込んでくれるものなのだ。」と笑いながら力強く言ったのだった。なるほど、幽霊は恐れないけれど、「ゲゲゲの鬼太郎」のキャラは大好きだったこやつの頭は、そうなっていたのか。我が子ながら感心した答えだった。

 世の親達よ。子どもがサンタクロースの正体を知っても嘆くことはない。サンタクロースの虚構を見破るのは優れた子どもの証である。ぼくは教室で「サンタクロースは存在しません」とは教えないけれども、自然にそう気がつく子に育ててはいる。教師は、子どもが真実を見つけるように導くのが仕事なのだ。 

by pororompa | 2009-12-24 20:05 | 本業方面 | Comments(0)