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semスキン用のアイコン01 【音盤的日々 243】 CHET BAKER / CHET BAKER SINGS semスキン用のアイコン02

  

2009年 11月 07日

e0006692_17324294.jpg 30年間偏見を持っていて聴かなかった作品である。当時の世評にも影響されたけれど、なにしろ初めて聴いた「マイ・ファニー・バレンタイン」が気色が悪すぎた。

 それがどうして聴く気になったかというと、インターネット・ラジオである。「Radiotracker」が掻き集めてきたスタンドナンバー、ありとあらゆる人が演奏した数百曲のスタンダードを毎日車で聴いていた。そこにチェットが流れてきて、偏見を取り去ってくれたのだった。聴く側が年取ったのもあるかも知れない。とにかく、「チェット・ベイカーもいいかも」と思えたのだ。

 それでもずっと通販のカゴに放置したままだった。安くなったと思ったら高くなる。そうしている内にまた特売で出たので、深い考えもなく買った。しかし、結果から見ると、タイミングは絶妙だった。くたびれはてた秋の夕暮れに実に似合う。

 何という力の抜けた歌だろうか。ジョアン・ジルベルトを思わせる。ところが、あながち無関係ではないらしい。ジルベルトに影響を与えたということだ。もう一人思い浮かべたのはサッチモである。芸風は違うけれど、歌うラッパ吹きだ。そのラッパが、歌を引き立て、歌がラッパを引き立てるように、絶妙に絡んでくる。その絡み具合に共通点を感じる。

 歌い始めた器楽奏者というのは、みんな複雑な心境だろう。人間の歌というのは存在感が強烈だ。どんな名演奏家がバックを務めても、歌手に主役を食われる。自分の余芸である歌が、メインのはずの楽器を脇役にしてしまう。

 けれども、このチェット・ベイカーを聴けば聴くほど、歌にもましてこのラッパが沁みてくる。いいラッパ吹きだ。このジャズとしか思えない音色。粋な歌い回し。軽いけれど、心の中の弱い部分に真っ直ぐに入り込んでくるようだ。そう言えば、ジェリー・マリガン・カルテットがチェットだったのを思い出して、聴き直してみたりした。
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by pororompa | 2009-11-07 18:05 | 音盤的日々 | Trackback | Comments(2)

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Commented by 秋元 ふき at 2009-11-12 17:03 x
仔猫の話が読みたくてかなり久々に「ぶろぐ」にお邪魔しました。
いきなりチェット・ベイカーなんでビックリ!
軽くて何かイイですよね。

仔猫ほしいけど「もらいます」と言えない情けなさよ…
かわいいなぁ~!!!

毎日家に帰るのが楽しみでしょう???
私なら、もうどこにも出かけないで遊んじゃいますね。
だって、仔猫時代ってつかの間ですよ!

さ来週、青島でお会いできるのを楽しみにしています♪

Commented by pororompa at 2009-11-12 19:29
つかの間、そうですね、正月に帰って来る予定の子どもたちが、「もう子猫ではないのではないか」と心配しています。
チェット・ベイカーは今の気分に合う薬みたいなもんです。よく効きます。

さ来週の集会は青島だったですかね。晩秋の青島はどんなもんじゃろ?