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semスキン用のアイコン01 【音盤的日々 242】 DANILO REA TRIO / ROMANTICA semスキン用のアイコン02

  

2009年 11月 01日

e0006692_16525897.jpg ヴィーナスの諸作が1500円で出ていたのを知って、夕べ食事に出たついでに買ってきた。「買おうか、どうしようか」クラスは、値下げと聞けばつい手が出る。

 イタリア人のピアノ弾きがイタリア曲を料理する、という趣向のアルバムである。イタリア人がアメリカのスタンダードを、と聞いても、あんまり食指が動かないが、イタリア曲というなら面白いかも知れないと思ったのだった。イタリアと言えば濃い感じの美メロの宝庫である。ジャズにするにしても、彼らなりの旋律で崩していけば、逆にアメリカの黒人などには出せない味が出てくるのではないか。

 そんなことを考えながら買ったのだが、実を言うとそれほど多くの期待をしていたわけではない。色のはっきりした、使い道のあるBGMにでもなればよいと思っていた。しかしこれは久々の当たりだった。

 ピアニストには悪いが、まずベースに耳が行った。いい音色をしている。とやかく言われるヴィーナスの音だが、このズーンという響きにはいきなり惹き付けられる。

 ドラムも悪くない。アルバムを通して、単調な4ビートばかりではなく、リズムが多彩である。純粋なアコースティックのジャズ・トリオなのに、8や16ビートも含めてリズムの変化でいろんな即興を引き出してくれるというのは、今の時代のジャズにぼくが期待する行き方だ。

 そして、ピアノ。この人は相当やる。最初の4曲では、ラテン調のミディアム曲とバラードを交互に並べ、期待通りの美メロを次々に浴びせてくる。それでもしっかりジャズしている。そして5曲目が「サンタ・ルチア」なんだが、これを「そぉーらーにしろきー」なんてやってしまったらまた別の種類のアルバムになっていただろう。それはそれでよかったかもしれないが、月の光なんぞ知ったことかとばかり、アップ・テンポでバシバシ始めた。さらにソロに入ってからは、「おりゃあジャズ弾きどー!」みたいな感じで暴れ始める。これはジャズ弾きとしては当然の展開なのであって、最初の甘い演奏の中に一本通っていた「筋」を、ここであらためて理解するのだった。

 アルバムは全体にこの展開を繰り返しながら進むが、「帰れソレントへ」で暴れたのは分かるとしても、ラス前の「恋する兵士」だけは、ちとアルバムの雰囲気を壊していたかな。ま、でもラス前だし、世の名盤にもそんな1曲は入っているものだ、と納得することにする。

 バラードでは、感極まってうなり声とかも出てくるが、幸いにしてキースほどうるさくはない。小手先で適当に弾いているのではなく、没入している様子が感じられて好感が持てる。このバラードが実にうまい。

 アップテンポもいい。特に、⑨曲目、小気味よいライド・シンバルに乗ってピアノがしだいに熱を帯びてくる、エンニオ・モリコーネの「ある夕食のテーブル」が印象的だ。

 曲・音・演奏、3拍子揃った意外な快盤だ。ジャケットがなあ…。この、意味不明というか、どことなく品がないというか、内容にそぐわない変なジャケットで、かなり損をしている。惜しいな。もっと話題になっていい。
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by pororompa | 2009-11-01 17:35 | 音盤的日々 | Trackback(1) | Comments(4)

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Tracked from JAZZ最中 at 2009-11-02 22:31
タイトル : いためしに誘われて Romantica / Dani..
Danilo Reaのアルバム「Romantica」を聴いていませんでした。 blogに時々コメントをいただくbikinmannさんがいためしの時に聴くとぴったりとお薦めです。 >>今宵はいためし:蛸のマリネ、アスパラとエビのサラダ、アサリの白ワイン蒸、チーズフォンデュ、アサリとゴルゴンゾーラのリゾットで発泡酒のハーフ&ハーフ、白・赤ワインをいただきました。 アサリとゴルゴンゾーラのリゾットとハーフ&ハーフ、白に赤ワインに惹かれて強烈に聴きたくなりました。 ヴィーナスで、このジャケだったので拾わな...... more
Commented by owariya 1975 at 2009-11-02 20:50 x
DANILO REA こういうの好きだなあ、選曲もいいし。
imeemにPlaylistを作ったのでshareしておいたよ。
たしかにジャケット写真は収録曲のどのタイトルからも外れているなあ。

1. レジネッラ
2. サンタ・キアーラ寺院
3. すてきなあなた
4. カタリ・カタリ
5. サンタ・ルチア
6. どうしたの
7. 帰れソレントへ
8. マリウ愛の言葉を
9. ある夕食のテーブル
10. レスタ・クンメ
11. ウン・ジョルノ・ドーポ・ラルトロ
12. 夜の想い
13. 恋する兵士
14. 夜空のトランペット

ps.全然関係ないけど、SNSにしるべの近影があるよ。
最近、伸彦氏が偶然――30年ぶりにでくわしたらしい。

Commented by monaka at 2009-11-02 22:30 x
pororompaさん、はじめまして,monakaです。
TB頂いたので、お邪魔しました。古い記事なのにありがとうございます。
こちらからもTBさせていただきます。
このアルバム、私も最初はどうかと(レーベルが関係する)思っていましたが、推薦もあり、購入、良かったですね。
これからも、よろしくお願いします。
Commented by pororompa at 2009-11-02 23:11
親さん、しるべ氏の話なら読みましたよ。意外に近くに住まれてたんですね。牌音が聞こえてきそうな錯覚が。

このアルバムは、期待したそのままの内容でした。
Commented by pororompa at 2009-11-02 23:16
monakaさん、わざわざありがとうございます。
ヴィーナスもたまにいいのがありますね。
試聴もサワリだけではあてにならないし、他の方が感動しているのになぜか全く感じない時もあるし、全部聴かないと結局分からないというのがつらいところです、でも、それだからこの道も面白いのかも知れませんね。記事はいつも拝見しています。