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semスキン用のアイコン01 【音盤的日々 232】 BILL EVANS & JIM HALL / UNDERCURRENT semスキン用のアイコン02

  

2009年 06月 25日

e0006692_1632081.jpg 生まれて初めて「人間ドック」なるものに行ってきた。行ってびっくりした。日程がスカスカだ。昨日の昼から今日の昼まで、検査の時間は2時間もないぐらいだ。分刻みの毎日と比べると、あきれるほど膨大な時間が残った。あんなに暇なものと知っていたら、それなりの用意をしていったのだが。人間、暇だけあってもどうしようもないものである。
 
 きつかった場合にそなえて、午後は年休を取っていたが、ぼくはバリウムを飲むとしばらくは調子悪いので、そのことは正解だったと思う。これも一種の休養だと考えて、家でボーッと過ごすことにした。この頃書いていないブログでも書こう。

 忙しかったから書けなかった訳ではない。メインの「音盤的日々」を書く気が、いや、音楽を聴く気が起きなかったのだ。原因はよく分からないが、立て続けに買った盤がどれも気に入らなかったためではないかと思う。食欲がない状態のように、聴きたいという「欲」が減退した。

 こんな時には何がよいか。いろいろ試したが、やはりビル・エバンスだ。それも安心して聴ける名盤にしよう。でも弛緩した肉体と脳にはあんまり激しいのはよくない。バラード中心のこれにしようか。

 だが、予想通りと言おうか、ピリピリとしたバトルが展開する冒頭の「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」が、そんな聞き流しを許さなかった。このアルバムは、この有名な1曲目と残りの5曲のバラードからなるのがオリジナルの形だが、この1曲目が強烈過ぎて、誰もがそのことばかり書くような気がしていた。そうじゃなくて、この幽玄なバラードの世界に浸るのが正しいとずっと思ってきたが、なるほど、この丁々発止のバトルは改めて凄いわ。これはジャズを聴く人なら素通りはできんだろう。この1曲目があって後があるのかも知れない。耳から入った音が、脳をマッサージして、たちまちジャズを聴く耳にしてくれる。

 バラードに入っても、ピリピリは続いている。眠らせてはくれない。純度を高めるために、オリジナルの6曲だけにして聴いてみたから、LPならB面1曲目の「ロメイン」が早めに出てきた。ジム・ホールの曲だ。MJQの「ピラミッド」で大好きになった曲だが、これがまた独特の気品とテンションに満ちている。その後、ほっと安らぎをもたらすように出てくるジョン・ルイスのワルツ、「スケーティング・イン・セントラル・パーク」。旨いもの食った後のデザートのように甘い。それにしても、ジョン・ルイスが料理したジム・ホール、ジム・ホールが料理したジョン・ルイス、それに絡んだミルト・ジャクソンやビル・エバンスの名人芸。互いにレスペクトし合うようなこの選曲が絶妙だ。

 おっと、デザートか言っていたらもう1曲あった。「ダーン・ザット・ドリーム 」。これがまた絶品だ。優美だ。これを聴いて何も感じない耳には、脳味噌にはなりたくないな。そうなったらもう、「人間ドック」に行く意味もないだろう。
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by pororompa | 2009-06-25 16:59 | 音盤的日々 | Trackback | Comments(0)

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